Case Practice

郊外ラーメンチェーン30店の売上を2年で1.2倍にする

  • 売上・利益改善
  • 難易度:基礎
  • 目安 20分
設問

郊外のロードサイドを中心に30店舗を展開するラーメンチェーンが、既存店中心で売上を2年間で1.2倍にしたいと考えています。
社長への提案として、売上を伸ばすための打ち手と、その優先順位を示してください。

まず時間を計って、声に出して解いてみてください。行き詰まったらヒントを1つずつ開き、解き終えてから解説を確認します。

ヒント 1 を見る

売上を「店舗数 × 1店あたり客数 × 客単価」に分解し、どの変数を動かすのかを最初に決めましょう。

ヒント 2 を見る

客数は「席数 × 回転数」で考え、ランチとディナーなど時間帯ごとに稼働の差がないかを確認すると、ボトルネックが見えやすくなります。

ヒント 3 を見る

打ち手は思いつくだけ挙げるのではなく、インパクト・実現性・スピードなどの軸で評価し、順番をつけて提案しましょう。

解説を表示する解答の流れ・数値例・評価のポイント・よくあるNG・発展問題

前提の確認

最初に、面接官と次の点をすり合わせます。

  • 目標の定義:「売上1.2倍」はチェーン全体の年間売上を指す。既存店中心のため、新規出店は補助的な打ち手と位置づける
  • 現状の規模:1店あたり1日の客数300人、客単価900円、年間営業日360日(いずれも仮定)と置くと、1店の年商は約9,700万円、30店で 約29億円
  • ゴール:2年後に約35億円、つまり 年間およそ6億円の上乗せ が必要

解答の流れ

1. 論点の設定

売上 = 店舗数 × 1店あたり客数 × 客単価

新規出店を補助的と置いたので、主な論点は「1店あたり客数をどう増やすか」と「客単価をどう上げるか」の2つに絞られます。合わせて約20%の上乗せが必要なので、どちらか一方だけでは届きにくいと最初に見立てます。

2. 分解とボトルネックの特定

客数を「席数 × 回転数」に分けて時間帯別に見ます。1店の席数を40席(仮定)とすると、

時間帯 回転数(仮定) 客数
ランチ 4.5回転 180人
ディナー 3.0回転 120人
合計 300人

ランチはほぼ満席で伸びしろが小さい一方、ディナーは郊外ゆえに家族客や仕事帰りの客を取り切れていない、という仮説が立ちます。客単価900円については、餃子やライスなどのセット注文率が30%(仮定)にとどまっている点がボトルネックです。

3. 打ち手の洗い出しと評価

打ち手 効果の試算 インパクト 実現性 スピード
A. セット提案の強化(セット率30%→50%、差額300円) 客単価 +60円(+6.7%)
B. ディナー強化(家族向けメニュー、ちょい飲み。回転3.0→3.6) 客数 +24人(+8%)
C. テイクアウト導入(1日20食 × 900円) 1日 +1.8万円(+6.7%)
D. 新規出店2店 全体 +6.7% 低(投資が大きい)

A・B・Cを合わせると、1日の売上は「960円 × 324人 + 1.8万円 = 約32.9万円」となり、現状の27万円に対して 約1.22倍 です。新規出店に頼らなくても目標に届く計算になります。

4. 結論

まず投資が小さく即効性のある A(セット提案) から着手し、並行して C(テイクアウト) の設備投資を進め、メニュー開発に時間がかかる B(ディナー強化) を1年目後半から展開する順序を提案します。Dは、A〜Cの効果が不足した場合の予備案とします。

面接官とのやり取りの例

候補者:郊外立地ということは、車で来る家族客が多く、時間帯によって稼働の差が大きいのではないかと考えています。ランチとディナーの売上比率はわかりますか。

面接官:ランチは満席に近く、ディナーは席の半分程度しか埋まっていません。

候補者:ではディナーの客数に伸びしろがありそうです。客単価についても確認したいのですが、セットやトッピングの注文率はどの程度でしょうか。

面接官:セット注文は3割程度です。競合チェーンは5割前後と聞いています。

候補者:ありがとうございます。競合並みに引き上げるだけで客単価が6〜7%伸びる計算になります。最後に、新規出店に使える投資余力はどの程度ありますか。

面接官:既存店の改装費を優先したいので、出店は2年で2店が上限です。

評価のポイント

観点 見られていること
目標の翻訳 「1.2倍」を金額と必要な上乗せ幅に置き換え、ゴールを数字で共有できたか
分解 「客数 × 客単価」を時間帯別まで掘り下げ、伸びしろのある場所を特定できたか
打ち手の評価 評価軸を明示し、効果の試算と合わせて順番をつけられたか
整合性 打ち手の合計が目標に届くことを確認し、届かない場合の予備案を用意できたか

よくあるNG

  • 分解をせずに「SNSで話題にする」「新商品を出す」といった打ち手をいきなり並べてしまう
  • ランチとディナーを平均して見てしまい、伸びしろのある時間帯を見落とす
  • 打ち手ごとの効果を試算せず、合計が目標に届くのかを確かめない
  • 新規出店だけで目標を達成しようとして、「既存店中心」という前提を無視する

発展問題

同じチェーンで、売上ではなく 営業利益を2年で1.5倍 にするよう求められた場合、打ち手の優先順位はどう変わるでしょうか。テイクアウトの人件費や、ディナー強化に伴う食材ロスなど、コスト側への影響も含めて考えてください。

※ 本問の数値はすべて説明のための仮定です。

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